口から飲んだ薬(飲み薬)は、胃から腸に運ばれていく間にだんだんと溶けていきます。
溶けた薬は小腸から吸収されて血液中に入り、肝臓に運ばれて全身をまわります。
胃や腸に運ばれて吸収されるまでに時間がかかるため、飲み薬の効果は緩やかに現れます。
点滴は、直接血管に薬を注入するので、速やかに全身にまわり、すぐに効果を発揮します。
飲み薬と点滴では、このように効果の現れ方に違いがあります。
点滴をする目的には例えば
①病気を治療するための薬剤を投与する
②食べたり飲んだりできない時に水分や栄養を補給する などがあります。
①は、飲み薬では十分な効果が得られないと判断された場合に点滴で薬を投与します。
例えば、ケガをしたときに抗菌薬が投与される場合、傷の範囲が広い、傷が深いなどの場合には早く十分量の薬を患部に届けるために飲み薬ではなく点滴を選ぶことがあります。
②は、風邪などで食事が摂れない、嘔吐や下痢を繰り返しているなどの時に、点滴で水分や栄養を補います。
医師は、患者さんの状態に応じて、飲み薬にするのか点滴にするのかを判断して治療を行っています。