こんにちは、放射線科です。
前回は、バリウム製剤について書かせて頂きました。
では、実際の検査ではどのように使われるのでしょうか?
胃X線検査で使われるバリウムは、バリウム製剤と水を混ぜてドロドロの液体にしたものです。
口にした時「美味しくない」「とても飲みにくい」と感じる事が多く
もっと美味しくて飲みやすいバリウムを作ることも出来るのでは?と
考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、このドロドロで美味しくないことが、検査の精度を高めているんです。
検査のときに重要なのは、適度に胃を膨らませた状態で
胃の内側にバリウムを均一に付着させ胃粘膜面の凹凸を表現することです。
そのためにドロドロとした適度な粘度が必要になります。
美味しくできない理由もあります。
添加物として香料や甘味料は入っていますが、
「飲みにくさ」を補うもので美味しい味付けとまではいきません。
バリウムを美味しくしてしまうと唾液の分泌が促進されたり
胃酸を分泌したり胃の蠕動運動が活発になるため
バリウムを胃粘膜面へ均一に付着させる事が難しくなります。
均一に付着しないと胃粘膜面の凹凸をしっかりと撮影出来ず
病変を見つけづらくなってしまいます。
発泡剤で胃を膨らませ、ゲップを我慢しながら飲みにくいバリウムを飲む。
苦手意識がある方も多いと思いますが
適切に撮影を行えるようご協力よろしくお願いします。