こんにちは、放射線科です。
「心不全」という言葉がありますが、病名だと思っている方が多いのではないでしょうか?
実は病気の名前ではなく、心臓になんらかの異常があることが原因でポンプ機能が低下して
身体に必要とする血液を十分に送り出せなくなった状態をいいます。
こうした状態が続くと、心臓は無理をして血液を送り出そうとするため
どんどん負荷がかかってしまいます。
心臓の検査には心電図や超音波検査、CTなど様々な方法がありますが
健康診断で撮影される胸部レントゲンでも心臓の大きさを評価することができます。
心胸郭比(CTR:Cardio Thoracic Ratio)と呼ばれており
胸郭の幅(肺の幅)に対する心臓の幅の割合(%)のことで式で表すと次の通りになります。
基準値は男性が50%以下、女性が55%以下とされていますが
基礎疾患により個人差があるため一概には言えません。
基準値を超える場合には「心拡大」という状態となり心不全の原因のひとつになります。
日常の診療の中で経時的に大きさの観察をすることが大切です。
今回は胸部レントゲンからわかる心拡大について紹介させていただきました。
「肺」に注目されることが多い胸部レントゲンですが
「心臓」にも着目していただければと思います。